追憶のしがらみを捨てて,明日握っているコントローラーに沿うものを求めよう。
Xボックスでは,インスタント・メッセンジャーに近い機能で,一緒にゲームをする仲間を探すことになる。そしてチャットにはボイスチャットを利用する。ブラウザやメールなどの機能を盛り込まないで,オンラインゲームに集中することになる。オンラインサービスの開始は,来年夏になりそうだ。
大は小を兼ねると考えると(まぁ筐体もかなり兼ねてしまっているんだが),Xボックスの視点は正しい。モデムを捨ててブロードバンドを標準装備することは,ユーザーの切り捨て,と取る向きもあるが,ある意味ではとても意義深い。ドリームキャストが,標準装備したモデムの呪縛から逃れられず,ブロードバンド対応ゲームがほとんどなく,高速接続を活用するものを提供できなかった辛い想い出に彩られているとしたら,Xボックスは軽々とその追憶を超えて行く。
そも例えば3年後に,ゲーム機を使っている姿を想像して,誰がモデムでダイヤルアップ接続をしているだろうか? 誰がゲーム機でメールチェックをしているだろうか? 今でさえ,私たちのネットワークの意識に付いてきているゲームハードはひとつもなくって,Xボックスだけがそれに忠実でいる。その思想に,すべてが流れていく。セガ社は,PSO,セガGTのXボックス投入を正式発表し,バーチャファイター4,アウトラン2の投入も決定事項のようだ。動いていく,流れていく,追憶を,打ち捨てて。
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